営業マン(セールス)の仕事はAIに奪われるのか?

結論からいうと、営業マン(セールスマン)の仕事はAIには熟すことができないため、人間の元からなくなるということはありません。

AIが人間に比べて劣るという話ではなく、物事と同様に仕事には向き不向きがあるということです。

AIの進化は営業マンにとってはむしろ味方になるものですから、歓迎すべきものです。
過去に記述したとおり【セールスは顧客の困り事を解決するための手段】如何なるビジネスマンであっても、全知全能というわけにはいかないため、時には専門外のことにつきまして、誰かに相談しなくてはいけないことがあります。
私は身をもって経験をしている最中ですが、そんなときに相談先として最も適しているのはAIです。時間を問わず相談できるうえに、お礼も渡す必要のない専門家はとても心強い。

如何なることでもトラブルや悩み事を解決するために、専門家へ相談することは大切なことです。

例えば、海の上に浮かぶ氷山を想像してください。表面に出ているのはごく一部だけであり、海の中には表面に出ている部分よりも大きな氷が沈んでいます。

仮に1つのトラブル(問題)が発生したとしても、その分野において素人であれば、表面に出ている氷山の一部しか見ることができないのです。目に見えていない部分について、或いは認識すらできません。トラブルや悩みを解決するためには物事の全体像を把握することが必要なのです。

話が少し逸れてしまいましたが、ここからは営業マンの仕事はなぜAIに奪われることがないのかという理由についてご案内致します。

①決済の権限

購入するという決定権をもつのはあくまでも人間です。
人間はコミュニケーションをとることによって感情で動く生き物ですから、対人間とのコミュニケーションを最も苦手とするAIには適材適所とはいかない訳です。

AIを得体の知れないものとして認識されている方々がとても多いと存じますが、簡単に言ってしまえば、とっても知識が豊富で勉強が大好きだけど、場の空気を読むことや、場を和ませたりコミュニケーションを取ることが苦手な方というイメージです。

お客様がどうしてもほしいと感じた売り物やサービスであれば、売買契約を成立させることができますが、そもそも欲しいと思ってない方の気持ちや考え方を変えることはできません。

②責任の所在

人間は人種を問わず他人が発する”責任”、”けじめ”という言葉が大好きです。そして、その責任を取ることができる者は人権を有していることが必須条件となります。
実態がないが故に、全てを失ったとしても生きていけるAIにはとても不利な勝負となるわけです。
『この度は申し訳ありません。うちのAIシステムが…。クビにしますのでご容赦ください。』と言っても誰も納得しません。

③医師の不足とAIの高い能力
これは実際に業務で機械を使用している方であれば一度は経験したことがあるはずですが、機械は壊れます。ですが、現状として余程簡単なものでない限り、一般人が修理を行うことは不可能です。

AIは実態をもたないため、”アバター”が必要となり機械を”容器”として提供しなければなりません。
そしてその機械は優れたものであればあるほど繊細であり、ちょっとしたプログラミング上のエラーや機械の故障により作動しなくなることがあるのです。


人間にはお金さえあれば、どこでも医師の診察や手術を受けることができるというアドバンテージがありますが、機械はそうはいきません。
原則として作ったメーカーの研究者へ診察と手術を依頼しなくてはならず、その間は稼働できなくなるわけです。どこでも診てくれるわけではないため、列にならんで自分達の番になるのを待たなくてはなりません。

『そんなのかかりつけ医がいる人間と同じだ』と思われる方もいるかと存じますが、問題になるのはそこではありません。

人間がやっている業務をAIに引き継ぐことは比較的簡単な作業ですが、AIがやっている業務を人間が引き継ぐことはできません。人間と違い、プライベートをもたず体力が尽きることもなく、ただ一心に業務のことだけ取り組んできたAIの仕事は人間で代役が務まるほど甘くないのです。

ということは、壊れた容器(アバター)を修理している間は会社組織の業務はストップしてしまうわけです。

営業といえば、いつの時代も花形と言われ、止まってはいけない部署ということから会社組織の中でも心臓として扱われています。営業マン(セールスマン)を人間からAIに変えた場合、その心臓を機械化することになります。

営業マン(セールスマン)に人間を使わず、完全に機械化してしまう…

果たしてそのような替えの利かない駒を使って、大きなリスクを抱える会社ばかりになるでしょうか?

私は絶対にならないはずだと感じております。

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