営業ロープレのコツ | 社内で評価されるロープレと現場で成果が出る営業トークは違う

営業マンをしていると、営業ロープレ(商談のシュミレーション)をする機会があります。大きく分けると、上司や同僚と個別に行うものと複数人の観客の前で披露するものと2種類ありますが、これらはあくまでもシュミレーションであり、実際の現場で行われるセールスとは全くの別物です。

そもそも上手な営業トークとは、沢山ある情報の中から相手のニーズを探して、気づかせて背中を押すという作業であり、これらの能力はシュミレーションのような低レベルのカリキュラムでは一流の域までは成長しません。

自動車の教習所にある運転シュミレーターを利用されたご経験がある方ならば、容易にご理解できるかと存じます。いくらシュミレーションが上手くなっても、実際に路上に出るとそう簡単にはいきません。

逆に10年間毎日運転している上級者がシュミレーターを行うと上手くいかず、事故を起こしてしまうことがあるように現場とシュミレーションには大きな違いがあることが見受けられます。


シュミレーションと現実…一体何が違うのでしょうか?

結論から申し上げると 全てが違います。 ですが敢えて異なる点を挙げるのであれば”情報量”、”環境”、”結果を出すために意識するべきポイント”です。

抽象的な表現となってしまいましたが、営業のロープレは一般的に全くの素人を用意するわけではなく、上司や同僚の様に始めからお互いに全部分かっている人間を相手にしている時点で無意味なのです。

このロープレ文化に関しまして、私個人の意見では”悪しき風習”だと考えておりますが、それでも我々は人間です。

例えお金にならなくとも承認欲求というものを持っていますから、社内で誉められるようなロープレを披露したいと考えるのはごく自然なことです。
それならば、ロープレはロープレとしてトレーニングを行う必要があります。

始めにご提案させていただくのは良いロープレを行うために意識するべきければならないことです。

“勝つことではなく魅せること”

通常の場合、営業の現場では契約を獲ることでしか評価を受けることができませんが、ロープレでは契約の成立に重きを置くのではなく、過程を魅せると格好がつくのです。

つまり、成約を意識するのではなく、トークの最中に繰り出す”知識やテクニック、技”にこだわればいいということです。

ではどのように意識を変えていけばいいのかという事について記述をしていきますが、これはトークの内容を紙に書き出していくことをお勧めしております。

ロープレでは制限時間を設けられることが大多数を占めますので、話を展開しすぎて散らかしてはいけません。

あくまでも要点を抑えた話の道筋を辿る必要があり、そこで自社(自社の取り扱う商品・サービス)で手に入る知識以外の裏話を披露することや、俗にいうキラーワードを散りばめていけば良いのです。『良く分からないけど、この営業マンはよく勉強していて何だかカッコいい』ロープレの相手だけではなく、ロープレを観戦している観客に対しても良い印象を与えることができます。正に”魅せるセールストーク”です。

私がロープレの審査官であればその営業トークで”成約できるかどうか”で判断しますが、その話法や話の進め方は営業ロープレとして観ると地味といわざるを得ません。

”トップ営業マン”と呼ばれる方々の現場での営業トークを聞く機会があった方々は『なんだ、特別なことはしていないのか…』と感じたはずです。

そのとおり、多大なる成果を挙げる営業マンが現場で話している内容は地味なのです。お客様が付いてくる、お客様を主体にした営業トークは営業ロープレの場において観客を盛り上げるようなものではありません。

今年、日本国内でオリンピックが開催されました。オリンピック選手達は国の代表になるために日々鍛錬を続けていますが、決して”その選手にしか使えない技を持っているから強い”という訳ではありません。教科書にでも載っているような技を磨き上げ、自分が一番いいと感じたタイミングや間合いで技を出すことができるから強いのです。派手な技で勝てる試合なんてごく一部でしかありません。

営業のトークだって同じです。実際の試合で勝つために必要なのは、勝つ(契約を獲る)ためのトークです。

しかし、ロープレは別の競技ですから、或いは”勝つ(契約を獲る)”という概念が”如何に観客を沸かせるか”というものであることを認識しなくてはならないのではないでしょうか?

営業ロープレの具体的な練習方法につきましては、誰よりもご自身を知り尽くしているご自身で磨くことを推奨しておりますが、お手伝いが必要な場合は【ご相談フォーム】からお問合せください。

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