100円の水を1万円で売るために必要なスキル | 付加価値をつけるのは逃げの一手です

少し過激なタイトルですが、”100円で購入できる水を1万円で売る”というのはあくまでもゲームであり、詐欺やぼったくりの話ではありません。

近年では営業マンのレベルを測る目的で面接官が出題するものですが、私のところにも毎週のように『解答例を教えて欲しい』というご相談をいただいております。  

これはかなり難しい問題です。というより、このゲームは日本国内においては完全に攻略すること自体、不可能なのではないかと考えております。

 そもそも日本に住んでいる方は普通の水に1万円もかける必要性が全くありません。スーパーやコンビニ、自動販売機で100円~200円を払えば手に入りますし、公園やショッピングセンターの水道、フードコートの飲み水も無料で自由に使える国です。  

銭湯や温泉、プール等、字のとおり浴びるほど水を使う場所でも入場料で1回1000円程度請求されるだけです。

それなのに、たかが500mlで1万円とは…正気の沙汰ではありません。  

私がこの問題の答え方について考えたとき、一番簡単に思い付くのは水に”付加価値”をつける手法ですが、これではそもそも売り物が水である必要性がないため、私が出題した側の人間ならば即”不合格”にするでしょう。 

『水を売れ』と言っているのに、他のものやサービスを売ろうとするのは如何なものかと首を捻ります。

ましてや、『この水を買ったら○○のサービスがつきます。』なんて話を始めたら酷すぎて論外です。 

この問題はあくまでも”普通の水”を1万円で売ることを考えなければならないので、そんなことをすれば主旨から外れてしまいます。 

水を使って何ができるのか?

水は買った人に対してどのような利を生むのか?

そして、そのできることや買うことによって得られるメリットは1万円以上の価値があるのか?ということに焦点を合わせる必要があります。  

①水を使うと何ができるのか、何が解決できるのか

②それは水以外のもので代用できないのか

③それは1万円、もしくはそれ以上の価値があるのか

④①~③までを出題者が納得できる形で提案ができるかどうか

⑤今、ここでセールスマンから買う必要性があるのか  

ここまでが一連の流れとなりますが、文書に起こすと如何に難易度が高いのかが浮き彫りになります。

改めてじっくり見ると、本当に意地悪な問いかけだと感じますが、それと同時にこの問題の本質が見えます。

まず、この問題は”完璧な答えがないもの”と理解しながらも売る努力をしなければならないこと、それから無理難題な問いかけをされたときに平常心を保ったまま、いつもと同じようにいられるかを審査するものであることが分かります。 

となれば、我々営業マンはまず話の相手を勤める面接官(以後お客様と呼びます)に、まず水について質問する必要があります。

どんな展開になろうが、恐らく買わないでしょうが、それが分かっていても誠実にかつレベルの高いトークを組み立てられるかが肝となってきます。

 ○○さまは1日にどのくらい水を使いますか?

 ○○さまは今、飲料水をお持ちですか?

売り物が特殊なものならばいざ知らず、普通の水に説明なんていりません。

今、必要なものだと認識される作業を行ったうえで、『いかがですか?』これだけでいいのです。

この○○を私に売ってくださいと言われたときの返答事例は…こちらから

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