お客さまが営業マンから離れていくとき | 相次ぐ解約に悩まされている営業マン

営業を長い間続けていると、ある時を境に契約の解約が相次ぐことがあります。契約を一件獲るのは大変なことのに失くなるときは一瞬です。

私も現役の営業マンなので、こういう時期…というか悪い流れが続くことには焦るのも失望するのも理解できますが、このような事態は”一概に悪いこととは言えない”というお話を記述させていただきます。

いきなりで恐縮ですが、お客さまより契約終了の申し出を受けたとき、それが営業マンにとって”いい事”なのか”悪い事”なのか判断する方法はたった一つです。

離れていったお客さまの性質を判断材料にして、自分よりも社会人として”格上”だったのか”格下”だったのかを測ってください。

社会人として自分よりも格上の存在であるお客さまが離れていった場合は”現時点で自分の能力が及ばなかった=悪いこと”ですが、自分よりも格下の存在であるお客さまが離れていった場合は”いいことづくめ”です。

どちらの場合でも、契約が失くなるということはお客さまが一時的に減ることになるので、数字だけを見れば両方とも悪いことに見えることは事実ですが、人間には器というものがあります。格というものがあります。
更にいえば相性というものがあります。

ここからは少し過激な話(表現)となりますので、お気に召さない方は恐れ入りますが、別の記事をご参照ください。

はっきり言ってしまえば、小さな魚には微生物、もう少し大きな魚には虫、鯛にはエビがお似合いです。
本マグロにはそれだけで高値がつくような需要のある大きな魚がお似合いです。

1億円の家を買った営業マンが、2000万円、3000万円の家に何とか住んでいるような人間と価値観や考え方を合わせて、付き合いを続けることは難しいとは思いませんか?

日本人には”お客さまは神様だ”という概念が存在しており、それが一般的な感覚です。

ですからお客さまの立場になったとき、もし営業マンが自分と比較して、いかんともしがたい高い能力をもっていると不快感が出てくるのです。不快感といったはっきりしないものだとしてもノイズくらいにはなります。

自分が”神様”なのに、この担当者は自分では勝てない…。或いは話をしたくない。

“気持ちが悪い”という深層心理から自己防衛をするために、営業マンの粗探しをしたり、そこから逃げるために『サービスが悪いから』等と意味のわからない理由をつけて他の会社や他の営業マンを探すようになります。

例えば、学生のときの部活動で自分が絶対に勝てないと思ってしまうほど強い後輩がいたとして、その後輩に自分のレギュラー席を奪われたとします。それでも、彼らもしくは彼女らと心の底から仲良くできますか?
自分の弱さを見つめて認めることができますか?

自分より弱い後輩、同級生ばかりのチームに移籍したらプレッシャーがなくなるばかりか、周りからはチヤホヤされてどんなに楽しいか想像しませんか?

残念ながらそれが真実であり、人間という生き物です。

本来、自分より弱い立場であるはずの人間を自分より上の立場だと認めて共存していこうと思えるほど心が強い方はそうはいません。

ですから、そのような社会人として格下だと思われるお客さまが離れていったということは、自分が営業マンとして社会人として成長したことを実感できるいい機会であり、そのお客さまに使っていた時間を新たなお客さまに使える転換期でもあるのです。

営業マンに限らず、人生で仕事に使える時間は有限です。
そして、人間が成長するきっかけは常にチャレンジすることであり、格下と戯れる時間ではありません。

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