営業マンが若いうちに身につけなければならない考え方について

営業マンが若いときに何をしてきたか…ということで40代、50代、60代になってから大きな差が生まれてきます。当たり前と言われてしまえばその通りですが、具体的に何が変わるのでしょうか?

私を含めた凡人が営業マン・営業ウーマン、もしくは会社の社長として成功するために必要な能力を養うためとはなりますが、結論として所謂”仕事のできる人”を目指すのであれば若いうちにしておかなければならない事は確かに存在します。

置かれた環境によっては受動的に経験して身につける方もいるはずですが、以後に記述する項目は意識してでも経験するべきだと存じます。

具体的には以下の3つです。

①自分(もしくは自社、自分の属する組織)の限界を知ること

②世間から一流と認めれているモノに触れておくこと

③自分へのご褒美について考えておくこと

①自分の限界を知ること

1番に持ってくるだけであって、私たちはこれが一番大切なことだと考えています。

私たちも実際によく聞く話で、40代・50代の方が仕事や会社内の人間関係を原因として精神病に罹ったり、仕事で結果を出せずにうだつが上がらない営業マンになってしまったといったケースがあります。度重なる残業や激務に追われ身体を壊してしまう方もいらっしゃいます。

また、結果が出ないが故に会社や組織で肩身が狭い思いをして、毎日辛い思いをしながらストレスを溜めてしまい、やがてはプライベートまで上手くいかなくなることもあります。

例えば、社会に出たばかりで右も左も分からない新社会人はどんな先輩に憧れるでしょうか?どんな先輩を疎ましく思うでしょうか?

厳しい現実をまだ知らない時は何も考えずに大方、管理職である課長や部長を見て『将来自分はあの人みたいになるのか。』、『私もあの人みたいになりたいな。』と考える人は少なくないはずです。

更にもっと時間を戻せば、日本に生まれ育った子供の大半は、将来好きな人と結婚をして、自分がやりたい、好きな仕事で結果を出している自分をさぞ当たり前のように理想としています。

人間は誰しもが一度は”理想を持ち”、”憧れを抱く”生き物ですが、それは殆どが厳しい現実社会での勝者と言える存在です。勝たなければ辿り着く事のできない領域であり、その領域に行くためには自分で戦って勝たなければならないのです。

戦ったことが無いから簡単に抱くことができる幻想なのでしょうか。

では、個々の方々が、自分の理想である自分になるために”社会で勝つ方法”はどのようなものなのか?

そこで出てくるのが”自分の戦力(限界)を知り、その中で勝つ方法を考えていくこと”なのです。

戦に勝つために必要なことは、≪相手を知ること≫、≪自分を知ること≫、≪戦う地の利を知ること≫です。

この3つの中で、相手のことや戦う戦場については移り変わりがあるために経験がものを言います。しかし、自分の戦力だけはどこへ行こうと誰を相手にしようと変わることはありません。

飲酒量の限界から始まり、体力の限界、精神力の限界、活動量の限界…

自分の持つ戦力や適応力はいずれ成長することはあり得ることですが、胆力や体力は年と共に必ず劣化します。勝ち続けていけば年と共に”友人”や”仲間”と言える存在はどんどん減っていきます。

年を取れば成長していくものばかりではありません。どんな人間も年を取れば(或いはその職業に長く身を置けば)勝手に自分の能力が成長して、勝手に結果が出せるようになっているんだと考えているのはとても危険です。

もしも、『私だってあと10年あれば、課長みたいにガンガン仕事をこなしていけるようになる』なんて理想を描いている場合ではありません。小さな子供が『僕は大人になったらプロ野球選手になって一億円プレイヤーになるんだ』と言っているのとなんら変わりがありません。

果たして何人中、何人が自分が描いた理想にたどり着くことができるでしょうか?

自分の限界(戦力)を知らない人間は言い換えれば”自分がどこまでできるかを知らない”ということになります。

それは例えるならば、自分の運転している自動車が時速何キロまで出せるかを知らないし、どこまでハンドルが切れるのかも知らない。或いはそのハンドルは本当に右、左に回せるのか?ということも知らない。ワイパーはどの程度の雨・雪まで対応ができるのかも知らないし、10キロメートルあたり何リットルの燃料が必要になるのかも知らない。どのくらい走ればタイヤの交換が必要になるのかも知らないし、ブレーキを踏んだときにどれくらい制動距離が発生するかも知らない。

そんな状況で目的地に挑むことができるのか?どのくらいの勝率があるのか?どんな道順で行けば目的地にたどり着けるのか?分かるはずもありません。

一度通ったことのある道でなければ道中何があるか分かりませんし、天気や気温、人通りだって曜日や時間で大きく変わります。5年前に通った道であろうが、昨日通った道であろうが、自分の管理下に無いものは私たちの知らないところで勝手に変化します。

絶対に目的地に辿り着きたいのならば、少しでも勝率を上げるためには自分がどこまでできるのか、自分はどんなことができるのかを知る必要があるのです。

対応力は経験から身につけることはできても、相手に合わせて自分の限界(戦力)を上げることは不可能です。でも、勝たなければならない。だったら、自分が勝てる戦い方を考えなければならない。

限界を知っていれば勝つための戦い方が見えてきます。多勢に無勢であればまともに戦うのではなく、人や金を使ったり奇襲や徒党を組んで戦う必要があります。自分は普通の人より苦手な事が多いならば、上手く立ち回る必要があります。

②世間から一流と認められているモノに触れておくこと

○○年後の目的地というものは今は見えていません。イメージはできていたとしても、今は実在しないものであり、これから見えていない目的地を目指して戦っていく必要があります。

”今”は今より前の過去からできています。来年の一流は今年の一流を継承しています。或いは時の権力者が自分たちにとって都合の良い一流という制度を作り上げています。

私たちを含め、人々が思い描く”理想”は自分が一流であることの想像が大半のはずであり、一流を目的地とするならば、今の一流はどのようなモノなのか形だけでも知っておく必要があります。

ただし、あくまでも”今の時点での一流である”ということを忘れてはならず、『これが私の目的地か』と考えてはなりません。辿り着いたとき、出発地点から見えていたものとは大きく違うことだってあり得ます。

③自分へのご褒美について考えておくこと

どちかといえば、若い方や女性に多い傾向にある”自分へのご褒美”ですが、性別や年齢に関わらずご褒美は必要です。

ただし、『○○の契約を獲ったら』とか『○○円売り上げたら』とか『キャンペーンで一位になったら』等といった外部的な要因によるものではなく、『○○件回ったら』とか『今日の仕事が終わったら』等といった自分自身を労うためのご褒美であることが条件です。

これには2つの理由があり、1つは自分がトップセールスになったときに”成績ベース”のままにしておくと、自分へのご褒美ばかりで散算してしまうことになり、借金を負ってまで実行してしまう可能性があること、2つは結果を出すために必要な工程を忘れないように戒めることです。

いずれ成功を収め、それを持続していくために”結果が出ていれば、自分を甘やかしていい”と考えてはならず、”自分が納得できる努力をしたからそれについては労おう”という習慣をつける必要があります。

私たち一般人は神様ではなく、ただ一人の弱い人間です。それを決して忘れてはいけません。

外に対しても内に対しても謙虚に、誰にも負けない結果を出し続けていくためには”自分を大切に、時には甘やかして”いくことも必要なはずです。修行僧のように只々精進を繰り返すばかりとはいかず、自らを甘やかしすぎずに甘やかす仕組みを作ることが必要です。

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