お願い営業の強さと弱さ | お願い営業で成果を出す方法

私はこのWEBサイトで自分の親戚や友人、お客さまへ「お願いします。契約してください!」とお願いすることなく、休日や早朝・夜間を含めた対応や接待など行うことなく、他を圧倒する成果を出す方法について触れてきました。

しかしながら正直に申し上げますと、プライドを捨てたり、世間から蔑まれることによって自らに降りかかってくるストレス、それから営業マン自身とお客さまのその後のことを考慮しないという前提であれば、”お願い営業”ほど誰にでもできて、尚且つ強い手法はないと考えております。

普通に考えてみれば、仮に日本国民を全部ひっくり返して全員にアプローチする場合、『あなたを担当する私と私が取り扱っている商品・サービスを気に入ったら…必要だと感じていただけたら買ってください。』というスタンスよりも、『○○さま、何とか買っていただけないでしょうか。私ができる限りのサービスもお付き合いもさせていただきます。お願いします!何とかお願いします!』という方がその場の成約率は上がるはずです。

私も一営業マンとして日々を過ごすようになってから、大分経ちましたが、私と私のお客さまの繋がりを裂くのは凡そ9割が他社営業マンからの”お願い営業”です。

『社長!何とかお願いします。売り上げが悪くて、このままでは会社に帰れないんです。』とか、『土日祝日でも構いません。24時間いつでも呼び出しに応じますからお願いします!』とか、或いは判断力・決断力のないお客さまへ『お願いします。お願いします。』と契約するまで居座る営業マンも確かに存在します。

特に会社の社長や職人、政治家を含む権力者といった方々は、その場の損得や理屈だけではなく、相手が誰であっても頼られることがとにかく嬉しい、頼られたら断れないという方々も多くいらっしゃいます。

私は、例え相手が政治家でも弁護士でも常に対等の関係を築くように仕事をしているため、そんな私にとって、理想や理屈とはかけ離れた形振り構わない”お願い営業”はある意味で天敵だと考えており、それは不況時により濃く現れます。

営業に限らず、仕事の仕方(スタイル)というものは時代や時期によって、流行り廃りがありますので、『今通用しているから10年後も同じやり方で通用するよ』とは約束できませんが、こと”お願い営業”だけは10年後にも必ず存在していて、私たちの邪魔をしてくることは間違いありません。

営業セミナーや営業のHOW TO本等では、”生き残る営業マンはお客さまにとって必要な価値を提供し、お客さまから信頼されていて…”といった言葉や経験をつづられますが、人間という生き物は理屈だけで行動する方々ばかりではありません。

『どうやったら信頼されるのかな?』、『あのお客さまはこんな事で困っていると言っていたから、こういう提案をしようかな?』なんて一生懸命考えて実行したとしても、お願い営業マンが発した『私を助けると思って、何とかお願いします!契約をいただけないまま、このままでは帰れません。』の一言に負けてしまう事の方が多いかも知れません。

それだけ強い手法なのに、なぜ使わない営業マンが大半を占めているのか…

恐らくは”みっともないから”、”要するに押し売りの一種であるから罪悪感がある”、”自分がされたくないから”、”嫌われるから”といったことが原因で、誰でもとはいかないまでも、それは自分が強いストレスを抱えることになる恐怖心が関係しているのだと考えております。

それに、”お願い営業”は絶対に負けることのないジョーカーであるかのような書き方をしてきましたが、それはあくまでも成約の確率を上げることができるだけで、必ず決まる必殺技というものではありません。

『決まるかどうか分からないのに、そんな恥ずかしい真似ができるか!』という感情が交ざることも否定できませんし、そんなことをすれば、お客さまを満足させることやお客さまとの信頼関係を築くことも難しくなります。

信頼関係が出来上がってからのお願い営業は訳が違いますが、そうではない大多数のお願い営業からは質の良い紹介が生まれることはありません。自分が満足していないのに無理矢理に知人を紹介させられるのだから当たり前かもしれませんが…

”お願い営業”をする時、成約を掴むために一番重要な考慮ポイントは”誰を相手にするのか?”ということです。提案力も聴く力も不要です。

そして、ターゲットとして相応しいのは、判断力・決断力がない人間、または頼られることが好きな人間です。

失礼な言い方になりますが、決定権を持っているのに判断力・決断力がない人間は”自分の選択によってもたらされた責任を取るのが嫌だと考えている“傾向にあり、営業マンがある程度強くお願いしてしまえば、最も墜ちやすい存在だと言えます。

仮にその判断が間違っていたとしても、彼らは『あのときあの営業マンが強くお願いしてきたから、間違った判断をしてしまった…あの営業マンが悪いんだ。』という自分が責任から逃げる道ができますし、周囲に対しても、そういう言い訳ができますから楽になれるのです。

それから頼られることが好きな方々を開拓する場合は下手(したて)に出て可愛がられることが必要です。

間違っても相手の言葉を否定してはいけません。

『いつか食ってやるが、今は我慢だ』というくらいの気持ちで望むのが良いです。

世間での一般的な評価として”お願い営業”は悪であるといわれていますが、営業マンとしての作業の質が低く、力量が足りていなければ、いずれ追い詰められ”形振り構わず成績を上げなければならない状況下”に置かれれば、その選択は正解なのかも知れません。

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