営業力ってなんでしょうか? | 営業力を身に着ける方法

『営業職に就くとコミュニケーション力や交渉力が身に付くよ』、『営業職に就くと異性からモテるようになるよ』という言葉を耳にしたことがあります。

また、そのような副産物を目当てにして自分を高めるため、或いは将来叶えたい夢のため、収入が青天井の世界だと聞いて営業の世界に飛び込んでくる方も一定数いるのは事実でしょう。

あながち間違いだとは言えませんが、実際に営業職に就いている営業マンに言わせれば、その謳い文句は”体のいい誘い文句であり幻想”です。

少なくとも私には『営業職は他の職種と比較して、どんなところが良いのでしょうか?』と聞かれて無理やり作ったようにすら感じます。

営業職とは決して遊びや学びなどではなく、お金が発生する”仕事”であり、仕事である以上は結果を出さなければなりません。

『営業職に就いたけど、うだつが上がらない』、『成績不振だ』、『全然思っていたのと違う。自分には向いていない』、『確かに以前よりは話せるようになったけど、契約が獲れない』

私が営業マンからのご相談を承っていると、ご相談者様からこのような事を仰っていただくことがあります。

しかし、ぶっちゃけてしまえば、”それが当たり前であり、何も絶望する必要はない”のです。

『営業マンなんて世の中に溢れかえっているし、だったら自分にもできるだろう』とでも考えていたのかもしれません。或いは『昔から知っているあいつにも…、あんな地味なやつにも勤まっているのだから、私にもできるはずだ』なんて甘い考えがあったのかもしれません。

確かに営業の世界にもスポーツ選手のように才能と呼ばれているものが存在するため、”天才”といわれる方が存在することは事実です。

しかし、例えば私が道を歩いている誰かに対して『野球を始めて1年間でプロの選手になれますか?』と聞いたら大方9割以上の方は『NO』と答えるはずです。それは何故でしょうか?

個人的な意見ではありますが、その答えは”自分の限界をわかっているから”です。これだけ人口がいる中で野球だけで食べていけるような方は僅かな人数だから飛び抜けた才能があるか、或いは、もっと多くの時間がなければ無理だと理解しているからです。

しかし、一方で営業マンはプロ野球選手と比較すると圧倒的に頭数が多い。だから簡単な仕事なんだ、自分にも簡単にできるかも知れない…

そんな考え方で始めるから勝てなかっただけではありませんか?自分の戦力も分からず、戦場の地形や状況も相手の戦力も分からず、それ故に戦い方もわかっていない…

“何一つ分かっていないのに勝てる”

誰にでもそんな簡単に上手くこなしていけるような仕事があるなら、その国に貧困なんて言葉は産まれません。営業の世界にも敢えてトップセールスなんて個人を称える用語が産まれることはありませんでした。

冒頭に申し上げたとおり、営業職はあくまでも仕事であり、結果を出さなければなりません。

そして、結果を出せる力のことを”営業力”と呼びます。これはコミュニケーション力や交渉力、他人から好かれるかどうか、或いは外見とは全くの別物です。

ここからが本題です。

ではどうやって”営業力”を高めれば良いのでしょうか?どうやれば結果を出せるような人材になれるでしょうか?

実は毎日の生活の中にヒントがあります。

例えば朝の支度1つとっても、『私は8時30分出社だから6時30分に起きて、7時30分までに自宅を出なければならない。』という方がいらっしゃったとして、此方の方は支度に1時間かかること、そして通勤に1時間かかることを自分の頭で理解しています。

それが自分の能力であり”限界”です。

この方の場合、どれだけ頑張ったとしても精々出社の1時間30分~2時間前には支度を始めなくてはなりません。

そうやって自分の力の限界を把握することで社会に適合し、”出社の時間”という関門を上手く通過しているのです。

営業の仕事だって同じ考えです。

とある営業マンが『これ採用してよ。費用はこのくらい払ってくださいね。』と言ったときに相手の方が『嫌だよ。』、『そんなに払えないよ。』と断られたら、それがその営業マンの”限界”です。

飛び込み営業で100軒まわって1軒たりとも話ができなければ、それがその営業マンの”限界”です。会社から受け取った見込み客リストを順番にまわったのに全滅だったら、それがその営業マンの”限界”です。

そこで、そんな自分でも契約を獲れる方法を考えて実行するのが”営業職の仕事”であり、それこそが”営業力”と呼ばれるそのものです。

セオリー通りの方法で結果を出すことは”とてもカッコいい”でしょう。恐らく誰にも真似できない”あの人だからできること”として王道を歩むことができます。

しかしそれはあくまでも理想であり、先程の朝の通勤時間に無理やり当て嵌めるならば、『私は8時30分出社だから8時に起きる。支度と通勤で30分あれば充分だ』と言っているようなものです。

私は支度に時間がかかる、会社から遠い所に住んでいる。だから早く起きて支度を始めるんだ。自分の限界を知り、理解して、その状況下で上手く立ち回る方法を考えて実行することは恥ずかしいことではなく、当たり前のことではないでしょうか?

何度もしつこいようですが、それが”仕事”である以上は結果が全てです。何より恥ずべきことは結果を出せないことであり、王道以外の道を歩いていることを他人に見られることではありません。

口下手なら喋らなければいい。字が汚いならパソコンで文書を作成すればいい。外見にコンプレックスがあるならばお客さまに会わないで契約を締結すればいい。

まずはセオリー通りやってみて、上手くできなければセオリーそのものを疑ってみることが”扉を開けるきっかけ”になるはずです。

自分が結果を出すために一番大切なことは王道を歩くこと、セオリー通りにやることではありません。

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