天狗になってしまった営業マンが理解していないこと | 調子にのらないために意識すること

営業マンに限ったことではないのかもしれませんが、仕事が上手く軌道に乗り始めるとお調子にのってしまうビジネスマンが沢山います。

同じ職種で下積みの時期が長く、苦労を重ねてからの開花であれば余程のことがない限りは心配いらないかと存じますが、運良く或いは才能、環境に恵まれた結果として簡単に好成績を出してしまえば天狗になってしまっても仕方ありません。

特に数字として結果が具現的に表れる職種、周囲と比較されて評価できるような職種に就いている方々におかれましては良い結果がある程度続けば、勘違いしてしまう事自体、それも仕方のない事だと言えます。

どんな人格者であろうと意識をして抑えなければ、年齢や性別関係なしに起きてしまう現象の一つです。

”私は良い成績を出せる人材だから優秀なんだ”…と考えてしまうお気持ちは痛いほど良く分かりますし、決して間違いではないのですが、どこまで行っても人間は所詮人間であり、人間であるが故に総合力はそう大きく変わらないという大前提を忘れてはいけません。

例えば営業力が成長した分、他の何かへ割く時間や労力は減少するため、他の能力は必ず落ちます。

夜も寝ずに勉強を繰り返して業務知識や周辺知識に優れたとしても健康を損ない、容姿は悪くなります。体力の低下はモチベーションの低下を起こし、日常業務を満足にこなすことができなくなることもあるでしょう。

容姿にこだわる方は容姿を整えることに多くの時間や労力を割く必要がありますし、その分仕事や勉強する時間を失います。

何でも卒なくこなしているように見える同僚は、悪く言えば特化した能力がない。何でも上手くこなしてしまうが故に、失敗した時の対処が下手である可能性もあります。

営業部のエースは数字に弱いかも知れない。或いは一般常識を知らなかったり、細かい事務作業をすれば集中力が続かずにミスばかりおこすかも知れない。

相手の気持ちになって気遣いをすることができないかも知れない。

社長は従業員のマネジメントや会社の方向性を上手にコントロールできるが、営業マンの仕事や事務員の仕事をやらせてみたら圧倒的に能力が低いかも知れない。

課長は営業も事務も無難にこなせるが、周りの人に嫌われる要素が沢山あるかも知れない。或いは、機械に弱く請求書や契約書を自分で作れないかも知れない。

このように、どこかが突き抜けるとどこかは欠落するのが人間です。何でも万能にできて、誰からも好かれるなんてスーパーマンは存在しないと考えるべきです。もしも…仮にいたとしても、長い期間それを続けることは不可能です。

このように対象が人間である以上、圧倒的に見えたとしても今発揮していない種目の能力は低いかも知れませんし、逆に今やっていることでは能力が十分に発揮できないが、他のことでは他よりも抜きんでて優れた結果を出すことができることだってあるはずです。

そうやって、自分のできることや好きなことが得意なことは基より、苦手なことやできないことに気付けるかどうかで”お調子にのってしまうのか?、お調子にのらずに成長を続けていけるのか?”をコントロールすることができるようになります。

『私は社内のどんな人間よりも営業の成績が良い。皆にチヤホヤされていて気持ちがいい。…しかし、私は○○が苦手だ。○○は私には難しくて、完璧にできない。■■さんは私と違ってこんなことが上手くできるんだ。私には真似できないな。』このように考えること、気付くことができるようになれば、そもそも自分が一番優秀だ、自分が最高だ。なんて思えなくなってくるのです。

満足や慢心は自分自身の退化に繋がります。

一番になるためには一番を意識していれば運よく辿り着くことができる可能性は誰にでもありますが、一番を続けていくためには努力を続ける必要があります。

私たち人間が本気で仕事に打ち込める時間なんて限られていますし、その短い期間で良い思いをしたいと考えるのであれば、お調子にのって他人を見下したり、自分自身に魅了されている時間なんて勿体ないの一言です。

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